日本人の心

2011年08月14日

たんぽぽの風企画が進めている
「みんなで作るお遍路さんのお土産開発事業」の
第1弾。
竹のミニチュア金剛杖と手描き絵手紙セット
「杖のあと」の試験販売目指して
商品作りを進めています。

先日、さぬき市内の高齢者のグループ(女性)に
「杖のあと」の製作をお願いするに当たり、
説明に行きました。

古い漁村で、旧道沿いに
昔ながらの集落があります。
そん中の民家の一つに
近所のお年寄りが数人集まって来ます。
スタッフの方もいらして、親切にお世話されています。

昔風の家で、特に改修もされておらず、
段差も敷居もあり、軒が深く、薄暗い二間つづきの和室に集まっています。

私はかねがね、最近の近代的な施設の
明るくて広々としていて、バリアフリーが当たり前になっているのを見るにつけ
違和感を感じていました。

ですが、この場所は、
本当にお年寄りの普段の生活の延長であり、
最も慣れ親しんだ暮らしの風景があり、
集まっている人、みんなが安心して過ごしているな、と感じました。

当然、足腰が弱っているし、耳も遠いタラーッ
あっちこっちにつかまりながら、ゆっくりゆっくり椅子から立ち上がり、
あっちこっちにつかまりながら、部屋の中を移動しています。
普通の和室ですから、それほど広くもありません。
椅子と椅子の間もほとんどありませんが、
会話しやすく、世間話に花が咲きますニコニコ

「杖のあと」は一つ一つ手作りで、
結願を終えたお遍路さんの、家につくまでの無事を願って、
金剛杖の飾り付けをしたり、絵手紙を描いたりしてください、と
お話しすると、
一人の老婦人が
「心を込めて作ったら、お大師様がお喜びなさる」と
サンプルの「杖のあと」に手を合わせてくれました。
すると、周りの人たちも口々に
「そうや、そうや!お遍路に行かんでも、これでお大師さんとこに行けるピカピカ
と言ってくれました。

その場にいた私と石原代表は感激してしまい、涙が出そうになりました。

忘れかかった美しい日本の姿を見たような気がしました。
かつてこの地の人たちは、みなお大師信仰を持ち、
法律や制度に縛られずとも、人の道を正しく歩もうと、
信心を心掛け、素朴に自然とともに暮らしていたのだなぁ・・・、と感動しました。

この人たちは、本当の四国遍路を知っている方たちなのです泣き
自分探しや達成感を感じるためや、癒しを求める現代の遍路ではなく、
厳しさや辛さがお大師さんの教えである、
たとえ一人であっても同行二人、お大師さんが共にいてくれる、と信じ
道行くお遍路さんにお接待をしていた人たちなのです。

「杖のあと」は日本一やさしいお土産です!!

作る側も買う側も、心が耕されるお土産なのです。

「障害者や高齢者の孤立を防ぎ、社会参加を支援する!!」などと
声高に言っていた自分が少し恥ずかしくなりました。
そんなことを言わなくても、ここのお年寄りの人たちは、十分事業の中身を察してくれたのです。

「これはお大師さんも喜んでくれるで」

・・・思い切って(思い付きで)この事業を始めて、本当に良かった、と感じた一日でした木


最近、お遍路に出る若い(?)人たちは、
道々の様子をツイッターとか動画とかでネット上で報告しているのをよく見ます。

つい何年か前までは携帯電話もなく、
いったん外出したら、なかなか連絡が取れないのが普通でした。
一人の寂しさや心細さが常に付きまとって、自分の小ささを思い知ったような気がします。

金剛杖は、そうした孤独と闘う旅人の心をどんなにか元気付けたか分かりません。
お遍路さんの持つ金剛杖には、お大師様が宿り、
常に見守ってくれる、と言われています。

携帯片手に、いつでも誰とでも連絡を取り合えるお遍路さんの杖にも
お大師様は宿るのでしょうか?

シワシワの手で小さな金剛杖を拝んでくれたおばあちゃんを見て
「この人たちは、神様や仏様が、ぜったい守ってくれているな(*^。^*)」と感じたのでした。




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この記事へのコメント
心のこもった「杖のあと」大窪寺に置くようになったら、ブログにアップしてくださいmoin moin(^-^)
Posted by すまいるすまいる at 2011年08月15日 03:40
思い出されます、私の母も生前お遍路さんに行くのが楽しみで

年二回位行っていました、歳を取れば、それが楽しみではなく家族や子供たちの、健康を御大師様にお願いにいていたと思います、

両親が旅立って、その心に気が付きました、(ー_ー)!!

歳をいても、若者であっても、杖を持ち無心に歩くことは心は一つで在ると、思います。
Posted by げんさんの日記げんさんの日記 at 2011年08月15日 08:19
すまいる様

ありがとうございます!
早く、みなさんの肉眼で見られるようにしたいと思っています(^_-)-☆。
地元の人は、本人の自覚有る無しにかかわらず、
少なからず、お遍路文化を敬愛していることがよく分かりました。
なんだか嬉しくなりますね。


げんさん様

お母様は、家族や子どもたちのことを、お大師様にお願いすることに幸せを感じていたのだと思います。
誰かにすがったり、見守られたりされることは
人にとって最も大事だと思います。
それがないとき、人は絶望するのでしょう。

最近は、基本を忘れてしまってますね。
お年寄りの方が、自然に神仏に拝む光景に感動し、反省しました(*^。^*)
Posted by 0-た0-た at 2011年08月15日 22:11
私が子供の頃、祖母が「おかんき」に行ってました。
最近はあまり聞くことがなくなった「おかんき」という言葉を
思い出しました。

涙が出ました。
O-たさん、有難うございます。

わたしも心の中の人の道に沿って
歩きたいと思います。
Posted by 小店主 at 2011年08月16日 10:18
小店主様

小店主様のコメントに涙が出ました(__)。
ありがとうございます。。。


「おかんきあげる」って言うてましたね~~~。
はっきり意味知らないんだけど、
声を出してお経をあげることなんかな?
そんな昔の光景を知っているのは、私たちの世代が本当に最後なんですよ。
危機感感じる今日この頃・・・。
Posted by 0-た0-た at 2011年08月16日 12:15
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    コメント(5)